韓国、市郡区の約3分の1が「40代も青年」に条例改正・・政府の青年関連予算を確保するため

「青年」カテゴリーが何歳までなのかは、国、地域によって異なります。単に体力などで「若い」という概念なら、今の時代、50~60代も「青年」と呼べるかもしれません。ただ、一応公式とされる区分はあって、日本の場合は15~24歳まで(厚生労働省)、韓国は19歳~34歳まで(青年基本法)とします。別に、適当でいいじゃないか・・な気もします。ただ、政府支援策となると、話が変わります。特に、いま韓国の20代は働き口が減少しつつあり、2024年統計で20代(20代未満も含め)の働き口が14万6千個も減少しました。本ブログでも何度か紹介しましたが、単に人口減少だけでは説明ができない現象です(もちろんそれも一因でしょうけど)。高齢者を中心とした、政府や自治体の「簡単な仕事バラマキ」によって全体の雇用数は上昇しているものの、実際はこんなもの・・というのが、一般的な見解です。一つ前のエントリーで紹介した博士関連のデータも、その一つだと言えるでしょう。

そんな中、政府の「青年支援」予算を得るために、韓国の基礎地方自治体(広域自治体より狭い概念で、市、郡、区など)の約3分の1が、「青年は40代まで」という規則を決め、お父さんも息子も「青年」にしている・・とのことです。韓国経済がシリーズ記事(28日の記事3日の記事)を出しています。19歳の息子も、49歳のお父さんも、どちらも青年になっているようでは、本当に「青年支援」が「青年」への支援になるのだろうか、少子化など、様々な問題が絡み合っているからこそ起こり得る現象ではないのか、と。そして、これだと青年予算が青年のために使われていると言えるのか、とも。別にこの現象だけだとどうでもいい話ですが、その背景には様々な問題が複合的に見え隠れ・・な気もします。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・全国主要基礎地方自治団体が、条例改正を通じて競争的に青年の年齢上限を40代に高めていると。各種「青年予算」を確保するためだ・・・・行政安全部と国務調整室などによると、全国226の市・郡・区のうち3分の1を超える83ヶ所が、40代も青年に含む条例を設けた。「19~34歳以下」を青年と規定した青年基本法とは合わない措置だ。青年基準を最大限まで広げ、49歳まで青年にした自治体も少なくない。問題は、このような自治体のやり方が、「特別なもの」ではなく、「一般的現象」になりつつあるという点だ。「40代青年」を条例に盛り込んだ自治体は、2022年には48カ所だったが、その2年後には72.9%も増えた。全南(22ヶ所)、慶北(14ヶ所)、慶南(11ヶ所)、全北(10ヶ所)など首都圏と離れている自治体が、主にこのやり方を主導している。

各自治体は、地域内の青年は減少しつつあるのに、青年を対象とした各種予算を政府から確保するためには、やむを得ず、青年の基準を緩めたと説明する。不十分な財政に、低出生と地域空洞化が重なった各地方の事情が、理解できないわけではない。だが、青年が成長できる社会的・経済的環境を設け、青年に教育と雇用機会を提供しようと策定された予算を、「中長年の青年」たちが受け取るようにすれば、地域経済活性化や青年人口流入効果などは期待できない・・・・青年予算を維持・拡大するため、自治体が20~40代をすべて青年にする無理のあるやり方を、このまま見ているだけではだめだ。青年予算の趣旨に合わせて、青年基準を厳格に再定義し、予算執行監視も強化しなければならない。納得できない青年規定を正す作業も急がなければならない。予算がほしいからって、いつまで「19歳の息子と49歳のお父さん」を全員青年と呼ぶ気なのか(韓国経済3月3日)・・>>




<<・・全国基礎地方団体が条例改正を通じて青年年齢上限を40代中~後半に相次いで高めている。早く結婚した場合、父と息子の両方が青年に分類され、各種の恩恵を受けることもできる。低出産高齢化で青年人口が減る状況で、国家と広域地方自治体の関連予算を取ろうとしているのだ。20・30代のものになるはずの恵沢がその分、減ってしまうという懸念も出ている・・・・自治体が青年年齢を上げている理由は「予算確保」のためだという分析が出ている。青年予算は維持・拡大したいものの、いざ地域内の青年が足りないので、基準上向きに出たということだ。

先月、条例を変え、青年年齢を39歳から45歳に高めた江原道仁済(※インジェ)郡もそのような場合だ。政策受益対象者が合計1万人余りで、2300人余りも増えたことで、郡は国費・都費を含め数億ウォン台の予算を追加で行えるようになった。首都圏のある基礎自治体も、2023年の青年年齢上限を45歳に調整し、青年人口を約2万1000人増やし、今年、前年比2億ウォン増加した85億ウォンを青年政策に使えるようになった(韓国経済2月28日)・・>>




サーバー側からのお知らせですが、「3月10日(月) AM 2:00頃~AM 7:00頃までの間に120分~240分程度(一部サーバーでは最大で300分程度)のサーバー停止をともなうハードウェアの大幅増強および新基盤システムへの移行メンテナンスを実施します」とのことです。参考にしてください。この件は当日までは「お知らせ」に追記しておきます。

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。